焼肉工房 やきや 創業物語

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店舗写真

飲食業もエンターテイメント。
だからやきやを楽しく
ワクワクのあるお店にしたい。

「やきや」創業者 左近真一が創業時の思い出と共に、やきや創業のエピソード、肉へのこだわりを語ります。肉を知り尽くした男が抱く理想の焼き肉とは?

名古屋市中川区高畑で1999年6月に産声をあげた「焼肉工房やきや本店」。 左近社長が愛する名古屋に自分が本当に行きたかった焼肉屋をオープンさせ、この時から焼肉工房やきやの伝説が幕を開けた。 その後2002年には次男坊として名古屋市中村区八田に「焼肉工房やきや はなれ」、さらに2003年6月には名古屋市港区当知に三男坊「焼肉工房やきや みなと」が誕生。TVや雑誌などにも頻繁に取り上げられ、毎日行列ができることで有名な焼肉店である。

旨い!安い!元気!楽しい! そんなワクワクする感動を七輪と備長炭の炭火焼きで届けてくれる「焼肉工房やきや」を経営するのは、(株)ワイズ代表取締役・左近真一(当時35歳) 。 彼に創業時の思い出を伺いながら、多くの人を魅了し続ける「焼肉工房やきや」の魅力に迫ります。

肉を愛する肉ボウズが立ち上がった!?

左近真一
(株)ワイズ代表取締役
左近真一

僕は幼いころから肉ボウズとあだ名されるほど、焼肉が大好きでした。 会社も肉の商社に就職してそこで肉を見極める目と人脈を培って、肉のプロフェッショナルとして成長することができました。

その後、時代は焼肉ブームが訪れて、安さだけがウリの焼肉店が乱立しましたが、当時はそれが許せなくて。

「自分なら本当に旨い肉をもっと安く提供できるのに!!」そう思いつつ、ただ安いだけの店には強い不満を持ってました。そして1997年に会社を退職し、学生時代を過ごした愛する名古屋に自分が本当に行きたかった焼肉屋を創るべく、自分で焼肉店を作りはじめました。

これが名古屋を代表する焼肉屋「焼肉工房やきや」のスタートです。

アットホームな空間が生まれた理由。

店舗写真

焼肉工房やきやの店舗には、倉庫を改装することにしました。 何より金銭的に開店費用が安くすむことが魅力でした。当時は熱意と情熱はたっぷりあったんですがお金だけはありませんでしたので、

「とにかくお金がないからテーブルやイス、看板などは自分で作るしかない!」

そう思っていた時に助けてくれたのが学生時代を友に過ごした名古屋の友人たちでした。友人たちは手弁当で手伝いに来てくれて、寝袋持参で工事中の寒い倉庫で連日泊り込みの作業を続けてくれました。焼肉工房やきやの雰囲気がアットホームなのは、そういった名古屋の友人達を初めとする多くの人の心がこもった手作りだからなんですよ。

肉を知り尽くした男の、肉へのこだわり。

お肉などの写真

最も苦労したのは、やはり味でした。焼肉はシンプルな料理だけに素材となる肉が決め手です。だから肉の選定にはとことんこだわりました。

「肉は産地と使っている餌、部位によっても味が違ってきます。それを確実に見極め、いかに安くしいれるかが、肝心。」いい肉を最高の状態で味わっていただくために、名古屋焼肉屋だけではなく日本全国の焼肉屋を食べ歩き、研究を続けました。その当時に訪れた焼肉屋は実に数百店舗にのぼりました。

「肉はカットの仕方で味が違ってくるんです。たとえばダイヤの場合、同じ石でもカットの仕方で価値は変わってきます。肉もこ れと同じでカットの違いで、味が大きく変わるんですよ。」

焼肉工房やきやの肉は素材はもちろん、カットの仕方にまでこだわっているんです。

こだわりのタレ誕生まで。

お肉を焼いている写真

そして何よりもこだわったのは、焼肉の味を決めるタレでした。オイシイのはもちろん、やっぱり名古屋の方に受け入れられる味にしなくちゃ!そんな思いでの味の追求でした。

しょうゆは全国から探し、他の調味料とのバランスや肉との相性を考えながら、何度も試作を繰り返す日々が続きました。寝ていてもアイデアが浮かぶと早速つくって食べてみたり。来る日も来る日も、朝から晩まで焼肉、さすがに胃の調子も悪くな りました。

お肉写真

そうして1年以上かけてようやく完成したのが、焼肉工房やきや特製「秘伝のタレ」です。あっさりしているのにコクがある。名古屋の方の味覚にもバッチシ!焼肉工房やきやの味とも言えるタレは僕の魂がこもった傑作です!!

飲食業はエンターテインメントだ。

店員写真

名古屋の飲食店は、日本一費用対効果が高いと僕は思います。そんな名古屋では「旨いのにリーズナブル!(お値打ち)」ってのは必須じゃないかと。

だから、味とサービス、空間に満足していただいて、さらに支払いのとき『え、これだけでいいの!?』という感動も提供したいんです。

お客様に最高の満足感を提供したい。そんな思いが名古屋でもビックリするほどの低価格に表れていると思います。飲食業もエンターテインメント。だから、焼肉工房やきやを楽しくワクワクのある店にしたい。大切な方をもてなす雰囲気づくりを常に心がけているんです。

食食事という時間を楽しんでもらうことを目標につくり上げてきた店づくり。焼肉工房やきや創業時からの変わらぬ左近真一の情熱。それはやむことなく、今もさらに大きく広がり続けています。

※この記事は、「やきや 瓦版」創刊号(1999年6月発行)に掲載された記事の一部を編集(加筆&修正)して掲載したものです。